2022年4月 入職
ノビシロクリニック藤沢
渡部 寛史わたなべ ひろし
仕事の内容を教えてください
訪問診療をメインに、患者さんのご自宅にうかがって診察をしています。当院に関しては、子どもから大人まで全年齢の方が対象ですので、人工呼吸器をつけている子どもから、がんの末期で看取りの時期にある高齢者まで、さまざまな患者さんのご自宅にうかがい、実際に診療を行っています。また、それに付随したさまざまな地域活動にも参加しています。
仕事のやりがいはどこに感じますか
患者さん・ご家族には、ご本人がやりたいことや、ご家族が心配に思っていることをうかがいます。そこにわたしたちがかかわることで、例えばお看取りの時期が近く、考え方がネガティブになっていた方だとしても、「最後にやりたいことができたことで、自分らしくいられた」と言っていただけることがあります。あるいは、家族の力が戻り、不安が払拭できたということもあります。そのようなとき、わたしたちがかかわれてよかった、と感じます。この仕事のやりがいといえる部分です。
悠翔会に就職したきっかけ、または決め手を教えてください
以前の勤務先は急性期の病院でしたが、経験を積むにつれ、病気や障害をもったとしても自分らしく生きられるよう、患者さんをサポートする仕事をしたいと思うようになりました。具体的に訪問診療をイメージしていたわけではないのですが、ノビシロハウスのコンセプトである「新しい住まいのカタチ+地域医療の拠点」や、コミュニティについて考えるといったテーマが、偶然、自分のやりたいことと合致していました。まさに自分の希望を実現できる場所ではないかと感じ、入職を決めました。
悠翔会で働く魅力は何でしょうか?
現場に裁量権が比較的多く与えられていることは、大きな魅力です。自分たちが地域で必要だと思うことや、やりたいことの多くを実現できる、自由のある環境だと思います。個人のクリニックのように地域に密着した活動ができる一方で、母体となる法人の規模が大きいクリニックだからこそ、たとえば費用がかかるような活動も可能です。その両方ができるという意味で、バランスよく働ける職場だと思います。
悠翔会の課題を教えてください
法人内の各クリニックは自立しており、独自のカラーがあります。ただ、現状では、それぞれのクリニックのノウハウが共有され、仕組みが整っているというわけではありません。自由が利くというのは、逆に言えば、何かを行う場合の方法が細かく決まっているわけではないということですから、自分で考えて動く必要のある場面も多々あります。そのような部分へのサポートや、クリニック間でノウハウを共有する仕組みができていくと、法人としてよりよいかたちになっていくのではないかと感じています。
仕事をするうえで大事にしている価値観は何ですか?
自分が正しいと思うことを、人に押し付けないことです。自分が正しいと思っていることは、あくまで自分がこれまでの経験を踏まえてその場で感じていることであり、事実とは限らないと思っています。全く違う価値観をもつ人や、全く違う経験をしている人から見ると、同じものでも見え方が異なるかもしれない。自分が大切に思っているものと、他人が大切に思っているものも違うかもしれないので、自分の意見を押し付けることはありません。「僕はこう思っていましたが、あなたはこう思っているのですね。では、お互いの状況がよくなるためにはどうしたらいいかを考えましょう」ということを話し合っていきたい。スタッフと働くときも、患者さんと接するときも、それを常に考えています。
ずばり、働きやすいですか?
非常に働きやすく、やりがいもあります。理事長が、QOLをきちんと確保しながら働くことを重視している影響も大きいと思います。
入職前に抱いていたイメージとのギャップはありますか?
入職前に理事長と話す機会もあったため、それほどギャップを感じたということはありません。法人の規模が大きいことから、人によっては、「さまざまな仕組みが整っている」「しっかりとした教育制度がある」という印象をもつこともあるようです。そういう方からすると、入職後、思っていたよりも自分で考えて進めていかなくてはならない部分が多いので、そこをギャップと感じることはあるかもしれないと思います。
どのような人と一緒に働きたいですか?
素直な方、そして、自分の考え方を押し付けることがあまりない方です。他人から何か言われたときに「そうだな」と受け入れる姿勢や、知らないことをきちんと知ろうとする姿勢、そういうものを含めて“素直”だと思っています。自分もそうありたいなと思いますし、そういう方とはとても働きやすく、自分も学ぶことが多いので、一緒に働きたいと思います。
個人として、クリニックとして、3年後のビジョンはありますか?
今はまだクリニックを開設したばかりで、訪問診療だけを行っていますが、今後、外来診療を行うスペースを作れればいいと思います。その際も、クリニック単独で取り組むのではなく、地域で活動する方々――子育てサポートをしている方、障害のある子どもたちに居場所をつくっている方、高齢者と一緒に何かに取り組んでいる方、あるいは福祉とは関係のない方――と一緒に、地域の居場所として、さまざまな人が交流できるスペースを作りたいと考えています。
クリニックの目標として、地域から、生きづらさや諦めを感じる人を少しでも減らすことを掲げています。3年後には、そのような人が減っているよう、地域のニーズに応えていきたい。「あのクリニックに相談すれば、一緒に考えてもらえるよ」といっていただける、地域から信頼される存在になることを目指しています。